鑑定人という仕事
損害保険鑑定のプロフェッショナル
保険事故が起きたときに、保険会社から委嘱を受け、現場に赴き、事故原因・事故状況・被害状況を調査し、支払保険金の鑑定をおこなう損害保険鑑定のプロフェッショナルです。
保険金がどのようにお支払いされるかは、あまり知られていないと思いますが、事故に見舞われたお客様は、電話などで損害保険会社へ事故の報告をおこないます。次に、損害保険会社が、適切な保険金のお支払いのため、現地確認が必要と判断した事案については、我々のような専門の鑑定会社へ委嘱されます。
鑑定人は、現地へ赴き、事故状況・被害状況・原因の調査、被害物件の写真を撮影、見取り図作成等をおこないます。そして保険約款に従って、保険金の算定をおこない、保険会社を通じてお客様へ保険金の案内がおこなわれます。これら一連の業務は、決して機械的におこなわれるのではなく、公正・中立な立場を保ちながらも、事故に見舞われ不安な気持ちを抱えたお客様に親身になり、経験と専門知識を駆使して、円滑に事故が解決できるように取り組むことが必要となります。
我々鑑定人は、飛行機・船舶・自動車を除く財物の損害を鑑定する専門家として、元々は火災鑑定人とよばれ、火災事故の調査を中心に業務をおこなってきました。その後火災保険は、漏水・盗難・オールリスク事故、台風・水害といった自然災害など、担保範囲が広がり、また地震・津波・噴火を対象とする地震保険も整備され、鑑定人が取り扱う事故の領域は拡大してきました。また賠償責任保険、利益保険、リコール保険、興行中止保険、サイバー保険など、保険商品の拡充とともに、我々鑑定人に求められるフィールドはどんどん広がっています。
鑑定人になるには、一般社団法人日本損害保険協会が実施する鑑定人試験に合格する必要があります。鑑定人には、1・2・3級の技能ランクがあり、まずは3級鑑定人試験に合格、経験を積みながら、2級・1級とキャリアアップしていきます。
